そもそも辺野古の岩礁破砕訴訟って何? 知事の許可なしに工事は違法と提訴 一審、二審は沖縄県の訴え棄却


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 沖縄県名護市辺野古の岩礁破砕差し止め訴訟の発端は、沖縄防衛局が辺野古新基地建設の工事現場海域での漁業権消滅を理由に、2017年3月末に期限切れとなった岩礁破砕の許可申請を更新しなかったことにある。

 県は政府が強行する新基地建設工事に対し工事を止める主要な権限の一つとして岩礁破砕の不許可を視野に入れていた。だが防衛局は名護漁業協同組合が漁業権を放棄し、岩礁破砕許可の前提となる漁業権が消失したため再申請は必要ないと主張し、許可申請自体をしなかった。

 県は知事の許可を得ずに工事を進めるのは違法だとして、17年7月に岩礁破砕の差し止めを求めて那覇地裁に提訴した。だが那覇地裁は18年3月に訴えを却下。県は判決を不服として福岡高裁那覇支部に控訴したが、18年12月、訴えは再び棄却された。

 一審、二審ともに県の訴えが審理対象になるかどうかの入り口論に終始し、棄却の理由を「裁判所の審理対象にならない」として県の訴えを退けた。知事の許可を得ないまま岩礁破砕を進める国の違法性を県が訴える中、防衛局の法手続きの是非に一言も触れない判決だった。

 県は一審二審の判決を不服として18年12月、最高裁に上告した。「裁判所の審理対象にならない」として訴えを棄却した高裁の判決に対し「法令解釈を誤っている」と上告の理由を主張していた。