謝花副知事、官邸と非公式調整 首相会談前、提訴巡り議論か


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
謝花喜一郎副知事

 19日の玉城デニー知事と安倍晋三首相の会談を前に、先週末に謝花喜一郎副知事が上京して杉田和博官房副長官と非公式に面談していたことが20日、関係者の話で分かった。面談は官邸側からの打診だったといい、謝花副知事は沖縄防衛局が25日を予定する新たな土砂投入の停止に向けて知事と首相の会談の設定を求めたとみられる。

 この中で、最高裁で争われている岩礁破砕差し止め訴訟の上告取り下げの検討や、国地方係争処理委員会の決定を受けた提訴対応に関するやりとりがあった可能性がある。

 16日の「辺野古新基地建設断念を求める3・16県民大会」に玉城知事の代理で出席した謝花副知事は、終了後に記者団に「政府との対話について日程調整を申し入れており、政府においても検討していると思う。その中で25日の埋め立て土砂の停止についてもしっかりと求めたい。提訴の期限についても、対話の状況なども踏まえて検討したい」と述べていた。

 また、謝花副知事は19日夜の会見で、岩礁破砕差し止め訴訟の上告取り下げの経緯について、安倍首相との会談決定を受けて玉城知事が上京する直前に行った調整内容を明かした。「訴訟の取り下げも検討するというものだったが(知事から)『やっぱり話をするからには上告の取り下げを指示したという形がいい』となった」と説明した。

 その上で「控訴審の判決が確定するが、却下だったので、漁業権の消滅や県の許可権限の部分はまだ判断されていない。県として無許可の岩礁破砕は許さないという姿勢は堅持することになる」と強調していた。

 謝花副知事は20日、退庁時に報道陣から、政府からの回答や提訴の対応について問われると「まだない。22日ぎりぎりまで待つ」とだけ答えた。