オリオンビール買収、成立へ 野村などの株式買い付け、22日が期限


この記事を書いた人 アバター画像 与那嶺 明彦
浦添市城間のオリオンビール本社=1月

 野村キャピタル・パートナーズ(NCAP)とカーライル・ジャパンによるオリオンビール(沖縄県浦添市)の株式の公開買い付けが22日で期限を迎える。NCAPとカーライルは全株式の取得を目指して買い付けを進める。取得割合が3分の2を下回った場合は買い付けは不成立となる。複数の関係者によると、企業や個人など主要な株主は株式売却に同意しているといい、3分の2は上回るとみられている。

 オリオン株の買い付けはNCAPとカーライルが共同出資で設立した「オーシャン・ホールディングス」が手掛ける。

 株式の取得後はオリオンを完全子会社化する。オリオンは1月に開催した取締役会で、株式の公開買い付けと完全子会社化を承認する方針を決定した。今回の株式買い付けは、経営陣が金融投資家の出資金などを活用して自社株式を取得するMBO(マネジメント・バイアウト)の手法で進められている。

 酒類業界では消費者の好みが多様化して競争が激化しており、オリオンも県内シェアが5割を下回るなど苦戦している。オリオンはNCAPやカーライルの経営参画を受け入れ、企業価値の向上や国内外の販路拡大につなげることを目標としている。