野村キャピタル・パートナーズ(NCAP)とカーライル・ジャパンが進めたオリオンビール株式の公開買い付け期間が22日に終了した。複数の関係者によると両社はオリオン株の3分の2以上を取得しているといい、買い付けは成立した。オリオンは両社が設立した「オーシャン・ホールディングス」の子会社として事業展開する。
公開買い付けはオーシャン社が手掛けており、最終的にオリオン株全ての取得を目指す。公開買い付けの成立後、オーシャン社の所有株式が90%以上となった場合は、公開買い付けに応募しなかった株主に対して株式の売り渡し請求を行う。90%未満だった場合は、株式併合などを実施し100%を取得できるようにする。取得株の詳細は23日にオーシャン社が公表する。
子会社化した後の事業計画などは、オーシャン社とオリオンで協議し決めるという。取締役の人数は10~11人の予定で3人をNCAP、3人をカーライル、3~4人をオリオンから選出、アサヒビールから1人の社外取締役を迎え入れる。
オリオンは1月の取締役会で株式の公開買い付けや子会社化を受け入れる方針を決めている。NCAPやカーライルは経営参画後、5割を切っているオリオンの県内シェア回復や、海外での販売強化などを進める。両社がオリオンの経営に携わる期間は5年程度の予定で、将来的な新規株式公開(IPO)を目指す。