【嘉手納】沖縄県の米軍嘉手納基地内にあるF15戦闘機の駐機場近くで建設工事が進められていた施設について、同基地の第18航空団は26日、外来戦闘機専用のひさし付き駐機場であることを明らかにした。建設現場には元々、外来戦闘機が一時的に駐留するための野外駐機施設が整備されていたが、ひさしや雨風を防ぐ屋根はなかった。
外来機が長期的に駐留できる環境が整うことで、外来機飛来の頻発による騒音被害激化や配備機種増加につながらないか、周辺自治体や市民の間には懸念が広がっている。
ひさしの設置理由について第18航空団は「自然環境から航空機の搭乗員や整備員を守るため」とし、「機能強化には当たらない」とした。
工事は2月から始まっており、現時点で完了の正確な時期は未定だという。建設費用は米国政府が拠出し、工事は米軍が直接日本の業者に発注した。
着工に先立ち、沖縄防衛局や地元自治体への連絡はなかった。
◆地元首長「負担減に逆行」
【中部】外来戦闘機専用のひさし付き駐機場が米軍嘉手納基地内で新たに整備されていることに、同基地周辺の自治体からは「基地負担軽減とは逆行している」と怒りの声が上がった。自治体へ情報提供がなく詳細が分からないため「米軍の動向を注視したい」との慎重意見もあった。
機能強化への懸念を示す野国昌春北谷町長は「常習的な外来機の滞在は、地域住民の感情や負担からも認められない」と断じた。
一方、米軍の動向を慎重視する意見も出た。周辺自治体で構成する「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」の会長を務める桑江朝千夫沖縄市長は、情報が現時点でないとした上で「資料を集め、それを見てから対応を考えたい」と述べるにとどめた。當山宏嘉手納町長は「施設の建設が必ずしも基地機能の強化と言えるか、まだ分からない」と語った。ただ、外来機の飛来が増えれば住民負担は増えるため、今後も注視する意向を示した。