1人当たり医療費が沖縄で最も高いのは宜野座村 2017年度国保で県が初分析


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 沖縄県国民健康保険課は26日、2017年度の市町村国民健康保険の県内41市町村の医療費の状況を発表した。県全体の年齢構成を基準として年齢調整をした後の1人当たりの医療費(地域差指数)は、最も高いのが宜野座村の1・172で、最も低いのは多良間村の0・583だった。県保健医療部の砂川靖部長は「高くなったり低くなったりした原因は何か、市町村にも分析をしてほしい」と呼び掛けた。

 昨年4月から国保の財政運営の主体が市区町村から都道府県に移り、県も使えるようになった国保データベースシステムを活用した。対象者は国保の加入者約42万5千人。医療情報と健診データを基に分析した。市町村別の医療費を県がまとめるのは初めて。

 地域差指数では、医療費が低い自治体は多良間村、竹富町、渡嘉敷村、座間味村、宮古島市など、離島が多い傾向にあった。高いのは宜野座村、伊平屋村、糸満市、本部町、豊見城市と続いた。

 診療区分を見ると、ほぼ全ての市町村で入院の影響が大きいが、宜野座村や国頭村、離島の多くで外来の影響が大きかった。全国と比べると、年齢調整前も後も、外来と歯科は低かったが、入院は高かった。県は「詳しい分析はこれから」としつつも、重症化してから医療機関にかかる県民が多いことも一因と考えられるとした。

 年齢調整前の実際にかかった医療費(実績医療費)は、県平均は30万258円で、全国平均の34万2893円を下回った。県内の最高は渡名喜村で39万7895円、最低は竹富町で19万2765円だった。

 男女別に見ると男性の医療費は女性より高く、約9割の市町村で男性の方が高かった。

 19年度は国保のほか、全国健康保険協会(協会けんぽ)や後期高齢者医療制度の加入者を対象に医療情報などを合わせて分析する予定。