学生の就職活動ルール撤廃の動きの中で、新たな採用・就活を考えるフォーラム「どうなる!?沖縄の企業人材不足 解消への糸口が見えてくる!!」(ジョブリッジ研究所主催)が26日、沖縄県那覇市の琉球新報ホールで開かれた。
トークセッションでお笑いコンビリップサービスの「せやろがいおじさん」こと榎森耕助氏がファシリテーターを務め、登壇者の法政大学キャリアデザイン学部の児美川孝一郎教授、リウボウホールディングスの糸数剛一会長、NO MARK(ノーマーク)の赤嶺謙一郎代表が日本の就職活動について議論した。
経団連が示した就活ルールの撤廃に関して糸数氏は「撤廃は遅いぐらい。新卒採用という概念はない。意欲やどんなキャリアを持っているかが重要だ」と話し、通年で採用活動する必要性を語った。
児美川氏は「ルールに依存するのではなく、身に付けるべきものや何年生までに何をするかなど自分でキャリア設計を考える必要性を大学側が伝えないといけない。言われたことをやっているだけでは社会で通用しない」と提言した。
榎森氏の「何で就活はスーツなのか」との疑問に対して糸数氏は、自身の米国滞在の経験から「日本では就活で皆同じ格好をしていて異様だと感じた。平服は個性が出るので好きな格好で来てもらった方が良い」と話した。
児美川氏は、複数企業でスーツの風習を変える必要性を語り「『平服で来てください』という面接は、どこまで許されるか見えないので逆に学生が困る。勇気ある一歩を踏み出す企業がたくさん出てくることが大事」と指摘した。
企業の採用活動手法について赤嶺氏はSNSを使った発信法を提案した。ネットで情報収集する人が多い中で「企業の代表が何を考えているのか、現場でどういう仕事が行われているのかなどをSNSで発信するだけで、求職者の間で情報が広がる」と話した。
日本の大学の専門性についても話が及び、糸数氏は欲しい人材について「語学でも技術でも専門性がある人が必要だ」と話した。児美川氏は「大学は専門性を身に付けるのが社会的責任だが、いつまでたっても大学で学んだことが社会で役に立たない。特に課題は文系だ」と話し、大学で勉強しなくても就職できる仕組みを指摘した。
トークセッションに先立ち、児美川氏が基調講演した。