普天間停止、期限設定へ 3者協議を確認 負担軽減会議


この記事を書いた人 大森 茂夫
会議に出席する玉城デニー知事(左奥)と松川正則宜野湾市長(手前左)と菅義偉官房長官(右奥)ら=10日、首相官邸

 【東京】政府と沖縄県、宜野湾市は10日、米軍普天間飛行場の負担軽減推進会議を首相官邸で開き、政府が県に約束した「5年以内の運用停止」の期限が2月で切れたことに関し、新たな期限設定に向け3者で協議することを確認した。一方、玉城デニー知事は名護市辺野古の新基地建設工事の中断を前提に、普天間の危険性除去について3~6カ月程度期間を区切って協議することに応じるよう求めた。これに政府側から具体的な返答はなく、政府と県、双方の溝が改めて浮き彫りになった。

 会議の開催は2016年7月以来、約2年9カ月ぶりで、玉城知事と松川正則宜野湾市長の当選後は初めてとなる。沖縄側からは玉城知事と松川市長が、政府側からは菅義偉官房長官と河野太郎外相、岩屋毅防衛相、宮腰光寛沖縄担当相が出席した。

 会議で松川市長は運用停止期限が2月で切れたことに「非常に残念だ」と伝えた上で、新たな期限の設定を求めた。これに対し杉田和博官房副長官は、その設定は必要だとの認識を示し「作業部会を開き、事務的に詰めていきたい」と話したという。一方、玉城知事が求めた普天間の危険性除去を話し合う場の設置に関し、政府側から返答はなかった。県民投票の結果を政府へ通知した際に玉城知事が提案した、日米に県を加えた3者による協議機関SACWO(サコワ)について菅長官は「両国政府で話し合いを進めている」と述べ、設置を拒否した。

 会談後、玉城知事は普天間の負担軽減について「次は実務者で協議できる。真摯(しんし)な協議が進められることに期待したい」と述べた。松川市長は「この日を新たなスタートとして、負担軽減にしっかり取り組んでいただきたい」と語った。

 会議は冒頭を除き非公開で行われた。