日台漁業協定、操業ルール継続で合意


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 尖閣諸島周辺の漁業権を巡る日台漁業取り決め(協定)に基づき、日本と台湾双方の漁業者や当局者が本年度の操業ルールを話し合う「第8回日台漁業委員会」の3次会合が10日、東京都内で開かれた。八重山諸島北方の「三角水域」の一部で日本漁船のルールを適用した18年度の操業ルールを継続することで合意した。細かな操業方法では、台湾漁船の漁具が東経124度以東の日本ルールの海域に流出した場合を想定し「日本漁船の操業に支障を来さないようただちに揚縄を開始し、速やかに完了させる」ことを盛り込んだ。

 本年度のルール策定を巡っては、三角水域における日本ルール適用区域の拡大を目指した日本側と、同水域で漁ができるタイミングを時間で区切る、17年度以前のルールに戻すよう求めた台湾側で一致点が見いだせない状態が続いた。

 日台漁業取り決めを巡っては、毎年4月の漁期入りの前に日台双方が話し合い、その年の操業ルールを決めている。今年は3月に開かれた2回の会合で合意に達することができず、4月に持ち越された。その年のルールを話し合うようになった14年以降で初めて、漁期が始まった4月に入っても交渉を行う異例の展開となっていた。県漁業協同組合連合会の上原亀一会長は「(日本ルールを適用する)水域の拡大はかなわなかったが、最低限、昨年のルールが維持されて一安心している」と語った。