ドローン改正法が衆院可決 米軍への取材規制に懸念


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 【東京】小型無人機ドローンの飛行禁止区域に自衛隊や在日米軍施設上空を追加したドローン規制法の改正案が16日の衆院本会議で賛成多数で可決され、衆院を通過した。同法案を巡っては米軍への取材活動が大きく制約される懸念があるなどとして、日本新聞協会や日本民間放送連盟が批判する意見を発表し、慎重な対応を求めている。

 山本順三国家公安委員長は「取材活動や国民の知る権利に配慮した適切な運用が確保される」として理解を求めてきた。だが衆院内閣委員会の審議では、自衛隊の訓練水域などは規制の対象とならないとされた一方、在日米軍へ提供されている水域や空域は飛行禁止の判断対象となることが明らかとなっている。

 米軍基地が集中する県内で報道機関によるドローンの活用が大幅に制限されかねないほか、荷物の宅配など今後利用の拡大が見込まれる分野でも、技術革新の効果を享受できない懸念がある。

 禁止区域での飛行には施設管理者の許可が必要となることに関し、防衛省は米側に「報道の自由との関係を含め、適切に同意の可否を判断」するよう要請した。これに対し米側は「趣旨を理解した」と返答するにとどめており、実効性にも疑問符が付いている。