消費増税で沖縄の会社の業況は「悪くなる」が31% 「良くなる」は1% 軽減税率、ポイント還元は半数が「分からない」


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 海邦総研(新崎勝彦社長)は17日、10月に控える消費増税に関する県内企業へのアンケート結果を発表した。消費税率が10%に引き上げられることによる会社の業況について「変わらない」が45・0%と最も多かったが、「悪くなる」も31・7%となった。「良くなる」は1・7%にとどまった。政府が対策として示す軽減税率やキャッシュレス決済時のポイント還元については約半数が「分からない」と回答しており、海邦総研は「制度の複雑さに企業の理解が追いついてない」と分析した。

 調査は県内に本社がある1992事業所を抽出して調査票を発送し、3月29日までに347社の回答を得た。有効回答率は17・4%。

 消費税額引き上げ分の商品・サービス価格への転嫁を聞いたところ、63・7%に当たる221社が「全て転嫁できる」と回答したものの、「一部は転嫁できる」が21・6%(75社)、「全く転嫁できない」も6・9%(24社)となり、3割超の企業が価格転嫁の難しさに直面している。

 消費税の引き上げによる業況への影響を業種別に見ると、「悪くなる」と回答した企業の割合が最も高かったのは「飲食サービス業」で50・0%を占め、「旅行・宿泊業」の41・7%、「医療・福祉」が40・9%となった。

 消費税率の引き上げに向けた準備を複数回答で聞いたところ、「会計・経理システムの変更・見直し」と回答したのが97社(28・0%)で、「販売価格の値上げ(交渉)」が85社(24・5%)、「業務の効率化」が19社(19・6%)と続いた。一方で「準備はしていない」と回答した企業は101社(29・1%)に上っている。

 軽減税率制度については「賛成」が29・1%(101社)、「反対」が23・9%(83社)だったのに対し、「分からない」との回答が45・5%に当たる158社と最も多かった。キャッシュレス決済のポイントバックについても「分からない」が53・6%に当たる186社と半数を超えており、「賛成」が23・3%(81社)、反対が21・9%(76社)だった。