〝沖縄映画〟の裏側明かす 上映会で落語家の桂文枝さんたち 国際映画祭


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上映後に撮影当時のエピソードなどを語った(左から)石橋正次さん、小山明子さん、上原直彦さんと桂文枝さん=19日午後、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 開催中の「島ぜんぶでおーきな祭 第11回沖縄国際映画祭」(同実行委員会主催)は19日、県内各地の開催場所に多くの人が訪れてにぎわいを見せた。那覇市泉崎の琉球新報ホールでは沖縄が舞台の作品を紹介する「沖縄ヒストリカルムービー2019」が開かれ、灰谷健次郎原作で浦山桐郎監督の「太陽の子 てだのふあ」(1980年)、大島渚監督の「夏の妹」(72年)が上映された。

 会場には落語家の桂文枝さん、両作品に出演した俳優の石橋正次さん、大島監督の妻で「夏の妹」に出演した小山明子さん、ラジオパーソナリティーの上原直彦さんが駆け付け、撮影時のエピソードを語った。

 「太陽の子―」は沖縄出身の両親を持つ神戸生まれの少女が、沖縄を離れた県出身者の心情に触れていく様子を描いた作品。石橋さんは「(少女を演じた)主役の女の子は一般の素人の子で、沖縄の人も出演していて、素朴で、劇映画というよりもドキュメンタリーを撮っているようだった」と振り返った。

 「夏の妹」について小山さんは「大島が世界的な映画作品を作るきっかけとなった作品だった」と話し、「大島は沖縄がとても好きで、旅行でもよく出掛けた」と笑顔で語った。上原さんは「まさか自分が出演するとは思わなかった」と打ち明け、「竹中労さんから撮影スタッフや出演者の案内を頼まれただけだったが、なぜか出演が決まり、自分でせりふも考えた」と裏話を披露した。

 琉球新報ホールでは21日、テレビディレクターによる映画作品が上映され、「エキストロ」に出演する山本耕史さんや「ヤウンペを探せ!」に出演する池内博之さん、「クソみたいな映画」に出演する内田理央さんらが登壇する。

 映画祭は22日まで。開催場所、上映などの問い合わせは運営事務局(電話)098(917)5123。