学校法人こばと学園が運営する読谷村長浜の私立幼稚園「読谷こばと幼稚園」で、勤務する全職員9人のうち幼稚園教諭全員を含む8人が退職することが、21日までに分かった。同法人では数年前から理事長の地位を巡る確執があったほか、職員への給与未払いに関するトラブルがあった。関係者によると法人は園の運営を継続する意向だが、職員らは在園児の受け入れ先として村内に新たな認可外保育園を設立。19日までに園児の大半が新設された施設への転籍を決めている。
同園は40年以上の歴史があり、外国人園児を含む3~5歳の56人が在籍していた。ある職員によると1~3月に給与の一部が支払われず、法人に対する不信感などから職員の大半が退職を決めたという。職員らが12日に保護者説明会を開き退職の意向を示したのを受け、40人以上の園児が新設施設への転園を決めた。19日は対応を決めかねている5人が登園した。
理事長の地位を巡っては数年前から訴訟が起きていて、今年1月に現理事長の地位が認められた。元理事の男性職員は「法人の運営で保護者や園児にご迷惑を掛けてしまった」と謝罪し、「今後も園児を最優先に考え、良い環境づくりに努めたい」と話した。現理事長は21日まで本紙取材に応じていない。
私立幼稚園を監督する県子育て支援課によると、2018年度は園の運営費などとして同法人に約1800万円を補助した。同課には12日以降、困惑した保護者から電話やメールで問い合わせが複数寄せられているという。
担当者は「判決が確定した2月ごろから、新理事長に対し子どもたちに影響がないような運営をするよう指導をしている」と説明。19日には同課の職員が園を訪れ、現場の状況を確認した。