2016年4月の米軍属女性暴行殺人事件を契機に発足した沖縄・地域安全パトロール隊の費用が、3年間で10億円を突破する見込みであることが27日分かった。青色灯を付けた車両100台が本島全域の見回りを続けているが、米軍人・軍属絡みの通報件数は3年間でわずか6件だった。
沖縄国際大経済学部の前泊博盛教授は「多額の税金を投入しているが費用対効果はどれほどなのか。第三者機関による検証が必要だ」と疑問を呈した。
パトロール隊から県警への米軍人・軍属絡みの通報件数は16年度は0回、17年度は5件、18年度は1件。内訳は路上寝が3件、交通事故関係が2件、けんか・口論が1件だった。
パトロール隊は沖縄総合事務局と沖縄防衛局が雇用する派遣社員と非常勤職員が正月を除き、本島全域を巡回。深夜は総合事務局が警備会社へ委託している。
総合事務局によると、予算額は3年間で約21億5千万円。そのうち執行予算は16年度は約2億6800万円、17年度は約6億2600万円と2年間で計約9億円だった。18年度の執行予算は明らかになっていないが、3年間で10億円以上の予算が執行される見込み。
前泊氏は「これだけのお金がかかっているということをどれだけの人が知っていたのか。しっかりと公表すべきだ」と指摘している。(照屋大哲)