夏の参院選沖縄選挙区に向け社大党が擁立した高良鉄美氏が出馬を表明した。昨年末に党が擁立を決めてから5カ月が経過しての表明会見だ。延期を重ねてきた背景には、現職の糸数慶子氏と社大党とのしこりがあり、その解消にめどが付いたことで会見が実現した格好だ。7日には玉城デニー知事や糸数氏を交えた出馬表明会見を再度予定しており、「オール沖縄」候補として政党間の結束をアピールしたい構えだ。
当初、高良氏の出馬表明は4月上旬を予定していたが、4選出馬に意欲を示していた糸数氏と勇退を勧告した社大党との間に生じたしこりの解消に向けた調整は難航し、高良氏が予定していたさまざまな活動は宙に浮いた状態が長く続いた。その後、社大党からの要請で、照正組会長で県政策参与の照屋義実氏が水面下で仲介に動いた。
しかし社大党に対する糸数氏の不信感は根強く、いったんは県政与党や労働組合などで構成する調整会議のメンバーに糸数氏への説得は委ねられた。ところが県政与党の一部からは「社大党が責任を持って糸数氏を説得し、高良氏の出馬会見を開くべきだ」との反発もあり、最終的には社大党が単独で会見を開く運びとなった。
県知事選や那覇市長選、衆院沖縄3区補欠選挙と勝利を重ねている「オール沖縄」陣営だが、次の衆院選を見据えた各政党の思惑も絡み、結束には揺らぎもみえる。全県選挙である参院選に向けて一枚岩になれるか注目される。(吉田健一)