日米、再発防止策を示さず 北谷米兵女性殺害で県議会が抗議


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田中利則沖縄防衛局長(左から2人目)に米軍人・軍属らによる事件の再発防止を求める意見書を手渡す仲宗根悟県議(右端)=9日、嘉手納町の沖縄防衛局

 4月に北谷町で発生した在沖米海兵隊所属の海軍兵による女性殺害を受け、県議会米軍基地関係特別委員会の仲宗根悟委員長ら県議団は9日、呼び出しに応じなかった在沖米海兵隊司令部と沖縄防衛局、外務省沖縄事務所に出向き、抗議した。具体的な再発防止策を県民に示すよう各機関で求めたが、各機関は「捜査中」などとして回答を避けた。

 県議団は4月26日の本会議で全会一致で可決した抗議決議・意見書を提出した。県民への改めての謝罪や遺族へ補償、日米地位協定の改定も要請している。仲宗根委員長によると、海兵隊司令部で対応したダリン・クラーク大佐は事件の詳細や再発防止策について「調査を終えてから検証したい」と述べるにとどめた。検証結果を公表することは約束しなかった。玉城デニー知事を訪ねた際に謝罪は済んでいるとの認識を示したが、県議団に改めて謝罪することはなかった。

 防衛局で意見書を受け取った田中利則局長は「(県議会の)問題意識は共有している。再発防止の取り組みは実施していく」と答え「県警の捜査中のため、情報共有は一定の制約がある。捜査が一通り終わった後、今後の対応を検討する」と話した。

 外務省沖縄事務所で対応した川村裕沖縄担当大使は「引き続き米側には再発防止を強く求める」と答えた。日米地位協定については「手当てすべき事項の性格に応じて一つ一つ具体的な問題に対応する」と述べるにとどめた。協定の他国比較は「全体像の中で検討する必要があり、一律の比較は難しい面がある」とした。