原田環境相「置き去りは問題」 嘉手納基地周辺の有害物質の調査へ 原因特定進まず3年


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高濃度の有機フッ素化合物が検出されたシリーガー。かつて地域住民が洗濯などの生活用水として使用していた=4月23日、嘉手納町屋良

 【東京】米軍嘉手納基地周辺の川から高濃度の有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)が検出された問題について、原田義昭環境相は10日の衆院環境委員会で「3年間、それが置き去りになっていたのは少し問題だろうと思う」と述べ、調査に取り組む考えを示した。屋良朝博氏(国民民主)への答弁。

 PFOS・PFOAは国内で原則使用禁止となっているが、2016年1月に県企業局が実施した調査で嘉手納基地内を通る川などで高濃度の汚染が確認された。

 発覚後も米軍が基地内での水質調査を拒み、県は日米合同委員会の環境分科委員会で議論するよう防衛省に求めてきたが、3年以上たった現在も原因は特定されていない。

 10日の委員会で大口善徳厚労副大臣は「(県企業局から)相談があれば厚労省としても対応したい」と説明した。4月の衆院3区補選で当選し、この日が国会での初質疑となった屋良氏は「この国の環境行政はどうなっているのかという疑問を禁じ得ない」などと批判した。