イチロー三線4368安打刻む 引退会見の日の夜、熱烈ファンの1人は徹夜で作り上げた


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イチローさんの10年連続200本安打達成時に作った三線を持つ新里紹栄さん(右)と、引退記念に作られた三線を持つ息子の紹二郎さん=うるま市赤道のうるま屋

 【うるま】4月にオープンした三線販売店「うるま屋」には代表の新里紹栄さんが作った「イチロー三線」が飾られている。3月に現役を引退した米大リーグ・マリナーズのイチロー元選手の熱烈なファンの新里さんが引退会見が開かれた日の夜、熱い思いがこみ上げて徹夜で製作した。

 三線の胴にはイチローさんの写真とともに「世界一4368安打」の文字をプリントした。イチローさんの日米通算4367安打という大記録に1本「おまけ」した。

 4368安打を期待されつつ、惜しくも届かなかったイチローさんの思いを重ね、新里さんは「イチローさんはあと1本どうしても打ちたかったと思う。イチローさんのファンとして、1本は私からプレゼントしたいという思いでこの数字にした」と話す。三線は販売せず、イチローさんへの感謝の気持ちとして店に飾っている。

 過去にも「イチロー三線」を製作したことがある新里さん。イチローさんが10年連続で200本安打を達成した2010年には2丁の三線を作った。1丁はイチローさんに寄贈するため米国まで行き、当時のマネジャーに手渡したという。さおには達成した日付や「10年連続200本安打」、新里さんの芸名である「贈 沖縄のシンケンより」などの文字を刻んだ。イチローさんの名言などにメロディーをつけた「一路イチロー」という曲も作り、CDにして三線とともに渡した。

 三線が手元に届いたのか確認はできていないものの、残りの1丁は“兄弟小(ちょーでーぐゎー)三線”として店に大事に飾っている。新里さんは「イチローさんが三線を持って歌手デビューしてくれたらいいな」と笑って話した。