「買い物難民」救う移動販売・HOBOが石垣市で始動


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青木省悟さん(左)と移動販売サービスを利用する北部地域の住民=7日、石垣市伊原間

 【石垣】沖縄県石垣市北部農村集落活性化協議会(我喜屋隆会長)が導入した移動販売車事業「HOBO(ホーボー)」が7日、本格始動した。市北部地域住民の生活支援を図り、共同体の機能維持につなげる目的。食料品・日用品が購入できる店が少ない北部地域を回り移動販売を実施するほか、買い物代行サービスも提供する。

 HOBOの稼働日は毎週火・金曜日。冷蔵・冷凍機能付きで住民から要望の高い豆腐や牛乳、パンなどを中心に取りそろえた。伊原間~平野の5集落の各公民館を巡回するほか、会費月500円で買い物代行もする。

 車両購入費は230万円で、協議会が国・県の補助金を活用した市小さな拠点づくり推進事業補助金の交付を受けて導入した。市地域おこし協力隊の青木省悟さんが中心となって事業を展開し、2019年度の運営費は協力隊の活動費から捻出する。

 車両名には「方々(ほうぼう)あちこちに行く」との意味が込められており、今後、巡回地域の拡大も視野に入れる。高齢者見守りサポーターとしても活用したい考えだ。

 7日に市役所で開かれた出発式で我喜屋会長は「地域の人と人の輪がつながり、北部全体が輝くための道しるべの一つになってほしい」と期待を込めた。

 青木さんは「事業を通じて地域住民と顔を合わせる機会も増え、直接声を聞くことができ、私にとっても素晴らしい話をもらった。同時にいかに継続していけるかに大変責任を感じている」と語った。

 同日に伊原間で移動販売を利用した野底ウメさん(85)は「今まではバスで市街地のスーパーまで行って買い物をしていた。米や缶の飲み物1ケースなどの重い物を運ぶのは大変だったので、だいぶ助かる」と笑顔を見せた。