「こんな雨は記憶がない」。13日午前、与那国島を襲った大雨。「50年に1度」とされる記録的豪雨は島内の主要道路を寸断し、住居を水浸しにした。島内の小中学校で休校が相次ぎ、午後以降も断続的に雨が降る中で後片付けに追われるなど、島民の生活に大きな影響を及ぼした。
「台風の時でもこんなに雨が降った記憶がない」。与那国町観光協会の米城由美子事務局長(61)は疲れ切った声で状況を説明した。島の北部・祖納集落にある同協会の事務所は同日朝、締め切ったシャッターから浸水し、建物内が水浸しになったという。
建物に隣接する駐車場にも雨水がたまったため、午前10時半ごろには出勤していた職員と共に一時帰宅した。「小雨になった午後、膝下まで水に漬かりながら事務所に入り、くるぶしほどの高さまでたまった水を必死でかき出した」と語った。
島の周囲を走る県道216号は各所で冠水し、立ち往生する車両が相次いだ。与那国町役場に勤める非常勤職員の女性(38)は午前7時半ごろ、車で自宅を出たが、降りしきる雨に行く手を阻まれ、高台に避難せざるを得なくなった。女性は「低地に止めていたトラックが完全に水に漬かってしまっていた」とおびえた様子で話した。
記録的豪雨で大雨洪水警報が発令され、島内の小中学校では休校が相次いだ。同日朝から休校となった比川小学校教諭の曽賀直哉さんは「学校前の正門につながる道路が川のようになっていた。流れも速く、非常に危険な状態だった」と振り返った。