石垣住民投票を否決 陸自配備条例案 市議会特別委、打ち切り


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 【石垣】沖縄県石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画に関する案件を調査する石垣市議会特別委員会(長山家康委員長)は14日、配備計画の賛否を問う住民投票条例案の審議を打ち切り、賛成少数で否決した。同条例案は市議会6月定例会本会議で委員会報告された後、全議員による採決で実施されるかどうかを決める。

 特別委の採決では野党委員4人が賛成し、与党委員5人が反対した。市議会は与党が過半数を占めるが、直接請求による住民投票条例案の採決では実施に賛成・退席した与党議員もおり、本会議での採決の行方には不透明な要素が残る。

 14日の審議では住民投票実施に賛成・反対する双方の市民3人ずつが参考人として招致され、それぞれ5分以内で意見陳述した。意見陳述前には参考人の質疑を巡って与野党間で紛糾。意見陳述を認めるかどうかを採決し、野党の賛成少数で認めなかった。

 参考人の意見陳述後、野党側は質疑応答が行えず、議論が深まらなかったなどとして審議の継続を主張した。一方で与党側は議論は尽くされたとして審議終結を訴え、与党の賛成多数で打ち切りを決めた。

 野党側は住民投票実施への賛成討論で「市民の関心も高く、住民投票をやることで(賛否双方の市民の)わだかまりを減らせると思う」とした。与党側は「住民投票により、わだかまりはさらに深まる」と反論した。

 長山委員長は取材に「2月に(直接請求を)否決した時よりも議論ができたと思う。平行線だったので、これ以上は議論にならないと感じた」とし、審議は尽くしたとの認識を示した。