友好盟約都市締結の前に役場職員が親睦 鹿児島沖永良部・和泊町と沖縄・今帰仁村


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【今帰仁】沖縄県今帰仁村と鹿児島県沖永良部島の和泊町の間で、将来的な友好盟約都市締結を目指した職員の交流が始まっている。両地域は琉球の三山時代、北山王の次男とされる「えらぶ世之主(よのぬし)」が沖永良部島を統治していた歴史的な縁で結ばれている。今月4日、今帰仁中学校で両役場の野球部が初めて親善試合を行い、今後の連携に向けて親睦を深めた。

友好盟約都市締結に向けて、初めて親善試合を行った今帰仁村と和泊町の役場職員ら=4日、今帰仁中学校(今帰仁村役場提供)

 両町村によると、今帰仁村と沖永良部島の和泊・知名の2町は以前から交流があったが、2016年の世之主没後600年記念事業などを契機に友好盟約都市締結の機運が高まった。

 親善試合には今帰仁村から約20人、和泊町から15人が参加した。

 今帰仁村の喜屋武治樹村長と和泊町の前田修一副町長が始球式を行い、若手職員が垣根を越え交流した。夜は今帰仁村中央公民館で懇親会を開催。琉球風の歌で薩摩風に舞う沖永良部の踊り「国頭ヤッコ」なども披露された。

 和泊町の皆吉泰智企画課長は「同じ北山文化圏にありながら異なる芸能が残っていることを実感した。世之主ガイドブック編さんの計画も町で進めており、さらなる北山文化圏交流につなげたい」と話した。

 今帰仁村の我那覇隆文総務課長は「沖永良部島とは古くから交流があったが、(今回は)友好盟約都市に向けた第一歩になった。締結後にどのような形で交流するかも大事。今後、職員間で話し合って具体化していきたい」と話した。