「県民の宝」発展誓う 組踊300年 記念事業開幕


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組踊上演300年を記念し、玉城朝薫作の「執心鐘入」を熱演する若手実演家=15日、浦添市の国立劇場おきなわ

 組踊上演300周年記念事業実行委員会は15日、浦添市の国立劇場おきなわで記念事業開幕式典を開催した。会場には重要無形文化財「組踊」保持者や芸能関係者ら約380人が集まり、上演300周年事業の成功と組踊の普及、発展を誓った。

 実行委員会会長を務める玉城デニー知事は「先人たちから受け継がれてきた組踊は県民の宝。県民が琉球文化や歴史に誇りや親しみを持つような環境づくりを着実に目指していきたい」と意気込んだ。

 和泉流狂言師で人間国宝の野村萬同会名誉会長は「上演300年を寿(ことほ)ぐにとどまらず、継承、創造、発展の思想を中心に据えた取り組みが何よりも大切だ。力強く発信して、21世紀に築く芸能として、我慢強く市民権を得るための重要な契機としなければならない」と話した。

 伝統組踊保存会の眞境名正憲会長は「次の50年に向けて、組踊を含めた琉球芸能を発展させていくために全力を尽くしたい」と気を引き締めた。

 式典では文化庁の宮田亮平長官と日本芸術文化振興会の河村潤子理事長が来賓のあいさつをしたほか、新垣悟さんや東江裕吉さん、神谷武史さんら中堅、若手実演家らによる組踊「執心鐘入」が上演された。