小中学校で時間外の留守電対応広がる 働き方改革の一環 「子と向き合うため業務改善」


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 教職員の働き方改革の一環として、平日の時間外や土日、祝日の電話対応を留守番電話(伝言録音なし)にする小中学校が沖縄本島南部を中心に広がっている。南城市が2018年8月から、南風原町と八重瀬町は19年4月から開始。豊見城市と糸満市、与那原町は今夏までに導入予定で本島南部の6市町で完全実施される。沖縄市は8月に試験運用、北谷町も本年度中の実施を予定している。各教育委員会は「教職員が心身健康な状態で子どもたちと向き合う学校づくりを推進するため、業務改善を図りたい」と説明している。

 琉球新報社は15日までに、県内41市町村の教育委員会に電話取材した。那覇市では独自に導入している小中学校があるが、全体を把握していない。浦添市は1中学校が学校の判断で導入している。

 教職員の勤務時間は午前8時15分~午後4時45分。各教委によると、勤務時間外も残って業務に当たる教職員が多く、電話がかかってくると居合わせた人が対応するという。

 留守番電話での対応時間は各市町で異なり、小学校では午後6時または6時半から、中学校は午後7時から翌朝の午前7時半までが多い。土日、祝日は終日。留守番電話は業務終了を知らせる音声が流れ、伝言は録音できない。

 事件事故など緊急時は警察や消防、教育委員会との連携を図る。

 昨年8月にいち早く導入した南城市教育委員会は「時間外の留守番電話は全国的な流れ」と説明する。導入に向けて市の広報や保護者向けの文書で周知し、クレームはなかったという。教職員からは「落ち着いて仕事ができる」と歓迎する声が寄せられている。

 学校現場からの要望を受け南風原町教育委員会は19年4月1日から、八重瀬町教育委員会は4月15日から導入した。両町の教育委員会は「クレームはなく、特に問題はない」と話す。

 県教育委員会は今年3月に策定した県教職員働き方改革推進プランで業務改善策の一つとして留守番電話の導入を挙げており、「市町村での必要性や予算状況を鑑みながら導入を進めてほしい」としている。