沖縄の高校生らが水害被災地のラオスの学校建設を支援 コープおきなわと募金活動、400万円贈呈


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 【浦添】ラオスの水害被災地のアタプー県への小学校建設を目指す募金がこのほど、目標額の400万円に達した。実施したコープおきなわ関係者と活動に尽力した県内の高校生代表3人が3月26日から12日間の日程でラオスを訪問し、アタプー県知事へ贈呈した。同報告会が4月28日、浦添市のJICA沖縄国際センターで開かれた。高校生が被災地の様子や国際協力の在り方など感じた思いを語った。玉城デニー知事やJICA沖縄の佐野景子所長らも出席した。

ラオスのアタプー県知事から県民に贈られた感謝状を手に、玉城デニー知事(右から3人目)に報告する(右から)末吉未空さん、大城梨紗子さん、金城伶奈さんと、コープおきなわの石原修さん、JICA沖縄の佐野景子所長=4月28日、浦添市前田のJICA沖縄国際センター内ニライホール

 募金活動は、昨年7月にアタプー県で建設中のダムが大雨で決壊した事故を受けて実施された。

 JICA沖縄の草の根技術協力事業である「ラオラオ酒協同組合結成によるアタプー県共同体機能強化支援事業」をコープおきなわが主体になって進めており、その関連として「ラオス水害復興支援小学校建設募金プロジェクト」が始まった。一方、高校生は昨年夏に県の人材育成事業でラオスに派遣されたメンバーが中心となり、自主的に募金活動を展開した。

 ラオスを訪問したのは、コープおきなわの石原修プロジェクトマネジャーら関係者と、金城伶奈さん(19)=那覇西高卒、末吉未空さん=陽明高3年、大城梨紗子さん=コザ高3年。3人はプロジェクトの専門家(業務従事者)として派遣された。

 ラオスでは、教育省大臣をはじめ外務省副大臣、アタプー県知事、被災したサナムサイ郡知事、在ラオス日本大使などの要人を訪ねて、高校生自らの言葉で寄付への思いを伝えた。

 現地の小学校2年生の算数の教師体験、事業の現地中心メンバーとの話し合いにも同席した。

 金城さんは「算数の授業を通して自分の将来の課題を見つけた気がした」と話した。末吉さんは「地道な話し合いこそが国際協力の最善の方法だと感じた」と語った。教育の重要性を強調した大城さんは「将来に向けての貴重な経験になった」と語った。

 アタプー県知事から沖縄県民と玉城知事に感謝状が贈られた。

 (中川廣江通信員)