平和へ 行動し続ける 行進2日目 過重な基地 実感


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米軍嘉手納基地のフェンス沿いを行進する参加者ら=18日午後、嘉手納町

 日本復帰から47年を迎えた沖縄を歩き、基地や核、戦争のない平和の大切さを訴える「第42回5・15平和行進」(主催・同実行委員会、沖縄平和運動センター)は2日目の18日、米軍基地周辺を歩く中北部・基地コース、糸満市の平和祈念公園から南風原町役場までを歩く南部・戦跡コースで行われた。参加者らは返還が進まずフェンスの向こうに広がる米軍基地や、沖縄戦で多くの命が犠牲になった南部戦跡を巡り、戦後から沖縄に重くのしかかる基地の負担を実感しながら、どうすれば平和への道が開けるか考え歩みを進めた。最終日の19日は宜野湾海浜公園屋外劇場で平和とくらしを守る県民大会が開催される。

 米軍基地を間近に歩く中北部コースは約500人が参加。読谷村役場を出発し、トリイ通信施設や嘉手納基地の広大な施設を目の当たりにし、基地返還後の開発が進む中心部にある北谷町役場まで14キロの道のりを歩き終えた。

 会社員の伊波美佳さん(37)=南風原町=は「一県民として基地反対の意思を示したい」との思いで毎年参加している。「行進を通して全国で沖縄の問題を考えるきっかけになると思う」と語った。

平和な沖縄を訴え、平和祈念公園を出発する参加者ら=18日、糸満市の平和祈念公園

 南部コースは約650人が平和祈念公園を出発。南城市や南風原町の南風原陸軍病院壕前を通り、町役場まで17・4キロを歩いた。

 城田マリさん(45)=那覇市=は「民意を無視した基地建設をどうしたら止められるか分からない。でも行動しなければ何も動かせない。自分にできることをやり続けたい」と力を込めた。

 中北部コースでは街宣車が行進団の先頭に入り込んで停車し行進を妨害したり、「日本から出て行け」「ぶっ殺すぞ、お前ら」などと誹謗(ひぼう)中傷の言葉を浴びせたりする場面もあった。参加者からは「ひどい」「聞くに堪えない」などの声があった。