「基地周辺で何かあった場合に支障が出る可能性が…」ドローン改正法で県内自治体に懸念も


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 沖縄県内で災害時などに備えてドローン事業者と協定を締結したり、市町村としてドローンを保有したりしている自治体は11市町村ある。これらの自治体は、災害時の円滑かつ迅速な救助活動や被害状況の情報収集などを目的に、ドローンを保有し、事業者との協定締結をしている。ドローン規制法の改正案が参院本会議で可決し成立したことを受け「基地で何かあった場合、上空からの確認に支障がでる可能性がある」「詳細を把握していない」「特に影響はない」など、さまざまな声が上がっている。

 国頭村は「山火事などの情報収集で影響が出ると思うが、沖縄防衛局をはじめ関係機関と連携し対応する必要がある。法律が制定された以上は法令順守の立場を取るしかない」との見解を示した。

 観光用の空撮などでドローンを活用している東村は「規制法は報道で承知している程度だ。対策もまだ検討してないが、今後検討する必要がある」と語った。ドローンを保有する名護市消防本部は「基本は水難・山岳救助、火災、土砂災害の情報収集に使っている。法改正はどれくらい支障が出るか精査している」と説明する。

 嘉手納基地を抱える沖縄市は「基地周辺で何かあった場合、上空からの確認に支障が出る可能性がある。協定先と情報交換をしながら確認したい」と話した。

 土砂崩れなどの際にドローンの使用を想定している北中城村は「ドローンが飛ばせない場所は、従来のように人がそこに行くだけだ」と述べた。

 自衛隊那覇基地を抱える那覇市消防局は、ドローンを保有しているが「まだ(どういう影響があるか)よく分からないので確認していく」と話す。一方、豊見城市は「協定は市の災害状況の情報収集が目的で、米軍基地や自衛隊上空などの情報収集は協定内に入っていない」とし、現時点では特に影響はないという見解を示した。