沖縄の4人の若者がジャマイカで伝えていること DJのかけるレゲエ音楽、ダンスで


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
マイクを持ちながら児童や職員を盛り上げるアイバンさん(中央)と、見守る仲村秀一朗さん(右端)=ジャマイカ・ポートランド教区のバウンドブルック小学校(仲村さん提供)

 中米のジャマイカに沖縄県出身者4人が集まり、ダンスを通した防災教育授業を成功させた。ポートランド教区のバウンドブルック小学校でこのほど、レゲエダンサーのアイバンさん=宜野湾市出身=が振り付けをした「防災ダンス」で150人以上の児童や教員が盛り上がりながら、災害についての知識を深めた。

 呼び掛けたのはJICAの青年海外協力隊員として昨年1月から同国で防災教育などに取り組む仲村秀一朗さん(31)=中城村出身。さらに、在ジャマイカ日本大使館職員の比嘉春菜さん(28)=那覇市出身=が広報を、写真家の石川竜一さん=宜野湾市出身=が当日の様子をカメラで記録した。

 仲村さんによると、ジャマイカは地震や津波が少ないため、子どもたちの中にはその存在を知らない子もいるという。体を波打たせた「津波の動き」、地面の動きを連想させる「地震の動き」などをDJのかけるレゲエ音楽に合わせて楽しく学んだ。

 同校の校長は「振り付けが分かりやすく、独創的で楽しく学べたのではないか。また実施してほしい」と喜んだという。「日本人がこんなに(同国発祥のレゲエダンスを)踊れるとは」と驚きも。

 比嘉さんは「防災面で多くの経験がある日本が、同じ海洋国家のジャマイカへ伝えられることは多いはず。各方面で活躍する3人の県人とジャマイカで一緒に活動できて光栄だった」と振り返った。

 仲村さんは「楽しい授業を通して自発的、能動的に防災意識を高めてほしい」と「持続可能な防災教育」を掲げ、今後につなげる考えだ。
(長濱良起通信員)