マイクロプラスチックが沖縄の貝類にも 漂着ごみに由来 座間味、多良間、与那国3島を調査


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
座間味島北部の砂浜に生息していたイソハマグリの体内から検出されたマイクロプラスチックごみ(藤田喜久県立芸大准教授提供)

 地球規模の海洋汚染が問題になっているプラスチックの微小粒子「マイクロプラスチック」(MP)が、沖縄の砂浜に生息するイソハマグリ、国の天然記念物オカヤドカリ類やスナガニ類など甲殻類の体内から検出された。2018年度の「県海岸漂着物等地域対策推進事業」の一環で調査をした東京農工大の高田秀重教授、県立芸術大の藤田喜久准教授らの研究グループによると、特に漂着ごみが多い海岸の生物から多くのMPが検出されており、漂着ごみに由来する可能性が高いという。

 調査を行ったのは座間味島、多良間島、与那国島のそれぞれ2地点、合計6地点の海岸。イソハマグリ120個体、オカヤドカリなどの甲殻類約50体を解剖した結果、全ての種からMPが確認された。

 プラスチックごみの漂着量が多い座間味島北部と与那国島北部の海岸に生息していたイソハマグリからは、調査した100%でMPを検出し、1個体当たり最大で41個という多数のMPが確認された。

 藤田准教授によると、汚染濃度はこれらの生物を食べても人体に影響を及ぼすことはない程度。ただ、検出された海岸生物そのものには影響を及ぼす懸念があり、研究グループは「これらの結果は海岸漂着ごみが回収されず劣化し、小断片化することで、サンゴ礁域の砂浜生態系に影響を及ぼしていることを強く示唆している」と指摘した。

 研究内容は25日午前9時20分から名桜大学で開かれる沖縄生物学会大会で発表する。参加費は1500円(学生は千円)。