スマホで希少種判別 環境省とNTT 沖縄県内で実証実験


この記事を書いた人 大森 茂夫

 環境省とNTTドコモは、沖縄県内の郵便局や税関、空港の手荷物検査の現場などにスマートフォンのアプリケーションを配備し、希少種のカメの密猟や密輸防止に向けた実証実験を21日から開始した。

 スマホでカメを撮影すると、画像認識エンジンを活用してリュウキュウヤマガメなど希少なカメかどうかを自動で判定する。専門知識の少ない職員でも希少種の判別が可能になり、密猟や密輸の防止につなげる。

 アプリには人工知能(AI)が使われており、カメに関する豊富な知識が組み込まれている。空港などでカメを発見した場合に、職員がアプリを起動してカメの全体像を撮影すると、AIが希少な種類かどうかを判定する。判定の作業を繰り返すことでAIが学習し、精度も上がるという。

 12月まで実証実験を続ける。実験結果を踏まえて、カメ以外の生物への適用など検討を進める。ドコモの担当者は「今後は奄美や徳之島にも広げて、世界自然遺産の登録推進に貢献する」と話した。