【東京】名護市辺野古の新基地建設断念を訴える総行動が25日、全国各地で一斉にあった。多くの場所で真夏日となり今年一番の暑さを記録する中、32都道府県38カ所で街頭活動や集会、講演会などが開かれ、参加者が「辺野古NO」の意思を示した。東京都の国会周辺には主催者発表で5千人が集まり、「政府は沖縄の民意に従え」などと抗議の声を上げた。
辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否が問われた2月の県民投票後、全国規模の行動は初めて。国会周辺では「反対」の民意を顧みず工事を続ける政府の強行に対し、登壇者から民主主義を問う訴えが相次いだ。沖縄の民意を全国に広げるため、各地の議会で基地建設中止を求める意見書の採択に向け取り組みを進めることも提起された。
主催団体の野平晋作さんは「県民投票の結果、今度こそボールは完全に本土の側に投げられた。解決の責任は私たちにある」とあいさつ。県民投票の結果を受けて岩屋毅防衛相が「沖縄には沖縄の、国には国の民主主義がある」と発言したことを取り上げ「沖縄の民意を尊重できないなら、日本には民主主義がないということだ」と批判した。
玉城デニー知事もメッセージを寄せ、安倍政権の対応により「憲法の理念が脅かされている」と指摘した。沖縄から駆け付けたヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は「勝つためには諦めないこと。このモットーを合言葉に闘いを続けてほしい」と呼び掛けた。
県民投票の結果の尊重を政府に求める意見書を今年3月に採択した武蔵野市議会(東京)の内山智子市議は、「反対の行動を起こすのは本土であり、東京で意思を示し行動することが求められている」と語った。