在沖米海軍もドローン禁止 「報道への配慮」言及なし


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 在沖米海軍は海軍の施設・区域での小型無人機(ドローン)の使用について「施設や周辺住民に危険が及ぶ恐れがある」として、原則許可しない考えを示した。24日、本紙の取材に回答した。17日に成立した改正ドローン規制法は新たに米軍提供施設・区域が飛行禁止の対象で、司令官の同意があれば撮影できる。だが本紙の取材に対し海軍のほか、これまで海兵隊と陸軍も安全性を理由に原則として許可しない考えを示しており、日本政府が要請した「報道の自由への配慮」が軽視されている。

 県内で海軍が管理する施設はホワイト・ビーチ地区(うるま市)、キャンプ・シールズ(沖縄市)、泡瀬通信施設(同)。報道への配慮がなければ、小型無人機の使用が禁止され、何らかの事故が発生した場合でも状況の把握が困難になる恐れがある。

 回答では米側が米軍施設の運営、警護および管理のため必要な全ての措置を取ることができるとした日米地位協定3条を挙げ「米軍施設・区域での個人の小型無人機の飛行を禁じている」と指摘。「ドローンの飛行は軍の作戦の安全を脅かし、軍用機や兵士、その家族、市民を危険にさらす恐れがある」と説明した。

 禁止区域の飛行は司令官など施設管理者の許可を48時間前までに得ることが必要。日本政府は米側に報道の自由への配慮を要請し米側から「趣旨を理解した」との回答を得たとしているが、海軍は「米軍施設と区域、運用上の安全を守るために必要な対策を講じる権限がある」と述べ、報道への配慮に言及しなかった。

 妨害電波の発信など対ドローン防御システムを導入しているか否かについては「運用上の保障や安全に関わるため特定の防護対策について議論するつもりはない」と回答した。