FC琉球 アルビレックス新潟に2―1で勝利 ホーム無敗29


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 サッカー明治安田J2の第15節、FC琉球は25日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでアルビレックス新潟と対戦し、2―1で勝利した。琉球が持つホーム無敗記録を29試合連続に伸ばした。通算成績は6勝5分け4敗の勝ち点は23となった。序盤から主導権を握りながら試合を進める中、富所悠のFKから先制した琉球。終盤は相手の波状攻撃にあって1点返されるも、途中出場した上原慎也が頭で押し込み引き離した。次戦は6月2日午後2時から、神奈川県のニッパツ三ツ沢球技場で横浜FCと対戦する。

◇復帰上原 神話継続の千金弾

琉球―新潟 後半41分に値千金のヘディングシュートで勝ち越し点を奪った琉球の上原慎也=25日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(大城直也撮影)

 試合終盤、同点に追いつかれて苦しい局面だった。そんな中、長いリハビリから復帰を果たした県勢Jリーガーの上原慎也(西原町出身、沖縄大出)が、後半40分に故郷のピッチへ投入された。その直後、右サイドの西岡太志からのクロスに素早く反応して前に飛び出る。相手DFと競り合いながら、頭でねじ込んでゴールネットを揺らす。5千人を超える大歓声を全身に浴びながら、ベンチへ駆け寄り、選手やスタッフと抱き合った。

 上原は「選手とサポーターの思いが一つになったゴール」と2年以上ぶりの得点と、故郷で無敗神話継続の立役者になったことを喜んだ。

 札幌や愛媛のチームを経て、今季から琉球に加入。だが古傷やけがが相次ぎ5カ月以上調整の期間を要した。複数のポジションでプレーできる器用さ、何より186センチの長身を生かして少ない好機を物にする活躍は、長いリハビリによるブランクを感じさせなかった。上原自身、支えてくれる妻子、献身的なサポーターのためにも辛抱強く調整した。試合後、樋口靖洋監督は「琉球にとって大きな武器となることが証明できた」と語った。上原の出場が、前線に大型選手がいなかった琉球に攻撃の幅を広げることを証明した。札幌で共にプレーした同郷の上里一将主将(宮古島市出身)は「慎也は強い気持ちでリハビリを乗り越えた。素直にうれしい」と喜んだ。

 25日の午前4時、徳元悠平(糸満市出身)の第1子が誕生。先制後には、チームでゆりかごダンスをプレゼントした。上原は「しっかり勝って、お祝いしたかった」と後輩のために力を尽くした。ベテランの奮起でつかんだホーム戦勝利の手応えが、勝率の低いアウェー戦にも好影響を与えそうだ。(喜屋武研伍)