[日曜の風]政治家の言葉 戦争を望む人がいる


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 ある衆院議員がいった「戦争しないとどうしようもなくないですか」。政治家が絶対にいってはならない言葉だった。言葉というより、そういう考えを持つだけでアウトだと思う。

 こんな人が政治家だなんて、この国は相当ヤバイところまできているのではないか。彼のような考えを持つ議員は、彼だけなのだろうか。隣国のヘイト発言をくり返す議員は、本音ではどう思っているのだろう。

 今、この国では経済が優先で、国民の一人一人の価値が薄れてしまったように感じる。無貯金の人や貧困者が増えているのはそのせいだ。

 しかし、格差は広がっているわけだから、経済優先社会がいいという人もいるに違いない。

 そこで考えてみる。戦争をしたいと思っている人もいるのではないかと。

 戦争で大儲(もう)けできる人、もしくは大儲けを企(たくら)んでいる人。自分が悲惨な目に遭うわけがないという根拠のある人。そういった人たちの中で戦争を望む人がいても、あたしはもう驚かないかも。それが恐ろしい。

 政治とは弱者を救う活動であるべきだ。そしてそれは税の分配によって成(な)される。でも現に、この国には今すぐに手を差し伸べねばならない人たちがいるのに無視され、政治家の趣味ではないかというようなことに税金が使われていたりする。

 思い出してほしい。安倍首相が『積極的平和主義』なる言葉をつくり出した。それは世界の平和と安全のため、よりこの国が積極的に関与していくというものだった。彼のお気に入りであった稲田朋美元防衛相ははっきりと、「国を護(まも)るために血を流す覚悟をしなければならない。国民の生活が大事なんて政治は、間違っていると思う」と言っていた。

 なんと、国民の命を軽く考える人たちだろう。

 憲法改正論者は、「戦争ができる普通の国になることで、他国から戦争を仕掛けられない国になる」と言う。けどそれは絶対ではないし、むしろ国民の命を軽く考えていそうな人たちが言うから心底怖い。

(室井佑月、作家)