起業を目指す高校生が沖縄県宜野湾市にいる。普天間高3年の土屋哲さん(17)は、起業に必要なものが何かを知るために、これまで100人を超える経営者と面会、取材を重ねた。そんな土屋さんが6月2日、起業家4人を招いて那覇市で講演会を開く。土屋さんは「起業に興味がある人もない人も話を聞けば何かが変わるかもしれません」と参加を呼び掛けている。
起業に興味を持ったのは昨年夏。あるユーチューバーが、起業までの失敗や成功を語った動画に触発された。「何となく勉強して、何となく大学を目指す普通の高校生だった」という土屋さん。起業して何をしたいのか、起業のために何が必要か分からなかったため、まずは起業家に話を聞くことから始めた。インターネットで探した会社の社長に面会を申し込む。応じてもらえれば直接出向く。お年玉貯金を切り崩して旅費を捻出し、東京や北海道にまで足を運んだ。
「起業にはとにかくアイデアやテクニックが必要だと思っていたけど、まずは人としての在り方、姿勢が大切だと教えてもらった」。国立大に合格できる実力はあるが進学せず、就職して起業のノウハウを学ぶつもりだ。「数カ月先も見えないけど、行動すれば自然と流れができてくるはず。不安はない」と語る。
今回、講演会を開くのは企画から集客、運営までを経験することに加えて「人生が変わるような経験をさせてくれた起業家の話を、他の人にも聞いてほしい」と思ったから。赤字の恐れもあるが「それも経験です」と笑う。
講演会は6月2日午後4時から、那覇市銘苅の那覇市IT創造館である。「僕たちはどう生きていけば良いのか」をテーマに、IT分野など4人の起業家を招く。高校生は千円、大学生・専門学生は2千円、一般は3千円。会場に行けない人には動画配信もする。申し込みはホームページ(http://nextmovement.peatix.com)、問い合わせはメール(nextmovement0001@gmail.com)で受け付ける。
(高田佳典)