くらし

「子どもの視点で子どもを理解する必要性に気付いた」 発達障がい支援学び合う場「すなばの会」

発達障がいの子どもに関わる支援者らが共に学ぶ「すなばの会」。支援者らがつながり、ねぎらい合う場として5周年を迎えた=5月21日、浦添市のてだこホール多目的室

 発達障がいがある子どもに関わる保育士、教員、放課後デイサービスの職員や医療関係者らが共に学び合う「すなばの会」(浦添市・山田友和会長)が5周年を迎えた。対話とねぎらいをキーワードに、それぞれが専門性を発揮して、その子にとってよりよい対応を話し合う。至らなさを責めることがない温かな言葉を受け取って、参加者らは「早く子どもに会いたくなった」と笑顔を見せる。

 発達障がいの子どもは増え続けているといわれる一方、一人一人異なる子どもをどのように支援し、力を伸ばすのか、支援計画は現場の裁量に任されるのが現実だ。支援者の資質向上を願う保護者の思いを受けて2010年から開かれていた「ゆんたく会」を母体に、専門家が加わって14年6月「すなばの会」が発足した。10人ほどの有志が実行委員となってほぼ毎月1回開催。参加者は浦添市内外から集まり、年間延べ300人ほどに上るという。

多職種で対話

 浦添市のてだこホールで5月21日夜に開かれた学習会では、放課後デイサービスの職員が5歳の男児について事例を報告した。会場に問い掛けた“お題”は「とても活発で、高い所に登るなど危険な遊びもしてしまう。危険を認識してもらいつつ、本人の遊びたい気持ちを満たすにはどうしたらいいか」。

 発表者が簡単に説明した後、司会の有吉裕子さん=生活支援センターあおぞら(浦添市)相談支援専門員=が「他の子との関わりは?」「保護者の思いは?」などと質問。普段から子どもに丁寧な目配りをする発表者から、子どもの様子や周囲の環境についての情報を引き出し、参加者たちはイメージを膨らませていった。

 続くグループワークでは、25人ほどの参加者が5~6人ずつに分かれ、それぞれ解決に向けた意見を出し合った。各グループには支援者や保育士、臨床心理士、医師、子どもに関わるNPOで活動する人と多職種のメンバーがいる。それぞれが専門性や経験を踏まえて、この子の状況や気持ち、実際にできそうなことを話し合い、30分ほどの検討時間はにぎやかに盛り上がった。

 最後には各グループから発表者に提案をした。「この子は耳で聞くより、目で見る方が得意。危ない場所に大きく『×』と表示しては」との提案には「以前やったが、ぺろっと剥がされた」と発表者。

 「危険がなくダイナミックに遊べる段ボールブロックを準備する」「達成感を得るため、高いビルの最上階まで階段を上ってみては」「『危ないから駄目』ではなく『未来の登山家だ』と発想を転換する」―。全員が一人の子どもを頭に描き、対話しながら多彩な案を編み出した。発表者は「日々悩みながら対応している。もらったアイデアは明日から取り入れたい」と笑顔を見せ、互いに温かな拍手を送り合った。

子ども目線で

 参加者に一貫していたのは、大人が求める行動をさせる方法ではなく、子どもの満足を実現する方法を探る姿勢だ。実行委員として裏方で支える森川特別支援学校の松田寧子教諭は「ここでは子どもの視点で、子どもを理解する必要性に気付ける」と意義を語る。

 同会を主宰する小児科医師の勝連啓介さんは「丁寧に支援をすればどの子も伸びる。支援者同士がねぎらい合い、意見交換をして支え合える場にしたい」と話し、支援者支援の大切さを指摘した。

 「すなばの会」は毎月第3火曜日に開催予定。問い合わせは生活支援センターあおぞら・有吉さん(電話)098(879)6644(平日10~17時)。
 (黒田華)