4年連続の減少となったものの、依然として1702人に上る沖縄県内の待機児童。10日の県子育て支援課の発表では申込数が初めて6万人を超えたことも明らかになった。施設整備が進む中、保育士不足が深刻化しており、自治体担当者は「保育士の奪い合いになっている」と頭を悩ませる。
申込数が県内最多の1万1564人だった那覇市。近年は順調に待機児童数を減らしていたが、ことし4月1日時点は前年同時期より112人増の250人だった。1歳児の待機が182人と突出しており、担当者は「県内でも育児休業制度が浸透し、子どもが1歳になってから預けたいという人が増えたのでは」と分析する。県経済が好調で保育需要は高まっているとし「予想を上回るニーズがあった」と説明した。
「施設整備は一段落している。課題は保育士だ」と話すのは名護市の担当者。待機児童数は前年同時期の1人から45人に増えた。認可園は国の基準で0歳児3人に対し保育士1人、1~2歳児は6人に1人、3歳児は20人に1人―などと配置が決まっている。低年齢児で定員に空きはあるが、保育士不足で受け入れられない施設があるといい「引き続き保育士確保に取り組む」と述べた。
県によると、昨年4月1日時点で必要な保育士260人が不足し、児童937人が入所できなかった。南風原町の担当者は「確保も大切だが、離職防止にも力を入れている」と強調する。町では業務緩和策や処遇改善のための給与補助などを実施しているが、確保はなかなか難しいという。町独自では限界があるとし、国や県に確保策を求めた。