井戸水からは有機フッ素化合物を除去せず 北谷浄水場


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 沖縄県企業局北谷浄水場の水源からPFOSなど有機フッ素化合物が検出されている問題で、ダムや河川からの水は粒状活性炭で浄化し濃度を下げているが、井戸水からは有機フッ素化合物が取り除かれていないことが11日、分かった。嘉手納基地周辺住民らでつくる「嘉手納ピースアクション」が水汚染への対応を要請した際、企業局が明らかにした。

 有機フッ素化合物が取り除かれていないのは、嘉手納基地内外に点在する嘉手納井戸群から引いている地下水。有機フッ素化合物を低減できる装置を通ったダム・河川水と、処理できていない井戸水が配水前に合流するため、処理後の水に含まれる有機フッ素化合物が原水よりも高い値を示す場合があるという。企業局によると、井戸群からの取水は北谷浄水場が浄水している水全体の10%前後を占める。

 浄水場では取水源によって2系統に分け、それぞれの水質に合わせて処理している。ダム・河川水を処理する系統には粒状活性炭で有機物を取り除く施設が元々含まれていた。一方、硬度の高い井戸水は硬度を下げるための装置で処理し、活性炭のある施設は通していない。

 有機フッ素化合物による汚染が判明した後、県は粒状活性炭が有機フッ素化合物に有効だと認識したが、従来の仕組みで水の処理を続けている。そのため、ダム・河川水中の有機フッ素化合物は有機フッ素化合物を低減する装置を通過するが、井戸水に含まれる有機フッ素化合物は取り除かれないまま、各家庭に供給されている。

 嘉手納ピースアクションは高濃度の有機フッ素化合物が検出された水源からの取水をやめることなどを要請した。企業局は「運用で改善できないか検討したい」と説明している。