運転手不足でバス減便 沖縄県内4社 18路線で最大86便


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「十分な運転手を確保できない」ことを理由に減便を告げる東陽バスのはり紙=12日午後、那覇市泉崎の那覇バスターミナル

 沖縄県内でバス運転手不足が深刻化する中、路線バス大手4社で今年に入り18路線で運行本数が日祝で最大86便(片道換算)減る見込みで、県民生活を直撃している。東陽バスは「従来の運行ダイヤを運行するのに十分な運転手を確保できない状況」として、17日から6路線で30~52便減らす。沖縄バスは15日から6路線のダイヤを変更、土日祝で計16便減る。琉球バス交通と那覇バスも効率化を図るための3~4月の「ダイヤ改正」に伴い減便した。減便の路線を利用する乗客からは遅延や混雑などを懸念する声が上がる。

 東陽バスが減便する路線は30番(泡瀬東線)、31番(泡瀬西線)、37番(那覇新開線)、38番(志喜屋線)、60番(泡瀬イオンモールライカム線)、191番(城間線)。平日は4~10便減る。土日祝は60番だけ2便増えるが、その他は4~18便減る。

 同社によると、退職者を補うだけの就職者がおらず、現状の運行路線を維持できなくなったという。昨年10月にもダイヤ改正で減便しており、人手不足が深刻化している。

 琉球バス交通は3~4月のダイヤ改正で50番(百名線)、83番(玉泉洞線)、55番(牧港線)、56番(浦添線)、98番(琉大線)で平日2~10便、土日祝2~6便減らした。那覇バスは97番(琉大線)で平日3便、土曜1便、日祝4便減らした。

 ダイヤ改正に伴う減便にについて那覇バス、琉球バス交通は「利用実態に即して効率化を図った」とし、人手不足を直接の理由に挙げないが、他社と同様、運転手確保が課題となっている。

 沖縄バスは7・8番(首里城下町線)、40番(大里線)・109番(大里線真境名経由)、47番(てだこ線)・87番(赤嶺てだこ線)のダイヤを変更し、土日祝で計16便減る。

 2018年度のバス運転手の平均有効求人倍率は2・61倍で、全業種平均を大きく上回っており、運転手の待遇改善など早急な対策が求められている。