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滑走路の過密続き、普天間での爆音増も…嘉手納基地北滑走路の工事遅延で8月まで閉鎖

 【中部】設備などの補修工事のため今年1月から閉鎖している米軍嘉手納基地の北側滑走路が、工事の遅延により8月22日まで閉鎖されることが分かった。米軍は1月初旬に着工し、滑走路の閉鎖期間は当初6カ月間としていた。同基地の第18航空団は13日までに本紙取材に対し、工事の遅延を認めた上で「滑走路は工事が完了次第、運用を再開する」と回答。再開の時期については明言を避けたが、米連邦航空局の航空情報(ノータム)には8月22日まで工事のため滑走路を閉鎖する旨が記されている。

 工事期間中は沖縄市と北谷町に近接する南側滑走路1本のみで対応しているため、離着陸が集中。運用の過密化と、それに伴う事故などが懸念されている。また、滑走路の運用制限を受け、嘉手納基地所属の戦闘機や外来機が普天間飛行場へ着陸する回数も増加しており、嘉手納基地周辺だけでなく、普天間飛行場周辺の住民にも騒音被害などの負担が増している。

 補修工事の目的について第18航空団は(1)将来的な運用の安全性を確保(2)インド太平洋の安全を守る嘉手納基地としての重要な役目を全うする―ためだとしている。現時点で南側滑走路の工事計画はないという。

 沖縄防衛局から工事の遅延について報告を受けた沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協)の会長・當山宏嘉手納町長は、滑走路が一本しか使えない中、従来通りの過密な運用を続ければ危険な事態を招きかねないと懸念を示す。その上で「工事期間中は訓練移転や外来機の飛来を制限するなど、周辺住民へ配慮してほしい」と訴えた。
 (当銘千絵)

◆「寝ることができない」普天間で外来機飛来増

 【中部】「生きた心地がしない」―。米軍嘉手納基地の北側滑走路が今年1月に閉鎖されたことに伴い、外来機の飛来が増加している普天間飛行場周辺の住民から爆音に対する切実な訴えが相次いでいる。嘉手納基地周辺だけでなく、普天間飛行場周辺を含めると本島中南部の広い範囲で騒音被害が増えている。

 沖縄防衛局が実施している目視調査によると、5月に外来機が普天間飛行場へ離着陸した回数は、昨年同月の約3・6倍。宜野湾市内の騒音被害が顕著になっているほか、場周経路に近い北谷町北玉区や沖縄市東部からの苦情も増加した。

 5月の同飛行場への外来機の離着陸は210回に上り、1月の滑走路閉鎖以降、100回を超える離着陸が続いている。4月11日、山口県の米海兵隊岩国基地所属のF35B最新鋭ステルス戦闘機10機が飛来。市民から20件の苦情が寄せられ「寝ることができない」「恐ろしい音がする」などの声が寄せられているという。

 嘉手納基地から離れているが、普天間飛行場の場周経路に近い北谷町北玉区などでも戦闘機に関する苦情は増加している。4月、北玉区の住民から「小学校上空を戦闘機が低空飛行で旋回し、恐怖を感じる」との声が上がった。同区に隣接する謝苅区の住民も「朝から戦闘機が低空で飛行し、テレビや電話の音も聞こえない」と訴える。

 沖縄市では、東部地区の泡瀬、古謝、大里地域の苦情件数が1月から増加傾向になっている。市の担当者は「普天間飛行場の場周経路に近いことから外来機の離着陸の影響の可能性もある」との見方を示した。