流弾事故の原因検証されないまま同じ口径を使用した射撃訓練再開 地元は同意せず


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弾痕とみられる跡を確認する捜査関係者=2018年6月22日、名護市数久田

 【名護】在沖米軍が米軍キャンプ・シュワブ(名護市など)の射撃場レンジ10で50口径弾を使用した射撃訓練を「再発防止策を講じた上で再開する」と沖縄防衛局に通知していたことが14日までに分かった。50口径弾は昨年6月の流弾事故で市数久田の作業小屋にレンジ10から撃ち込まれたもので、同弾を使った訓練は中止されていた。防衛局や県警など日本側関係機関による事故原因の検証や安全確認を経ず、地元の同意を得ないまま訓練が再開される形となった。

 比嘉幹和数久田区長は「区はまだ(再開を)了承していない。基地内で対策を視察して判断したい」と述べた。名護市議会などは民間地に近いとしてレンジ10自体の撤去を求めている。

農園の作業小屋で見つかった1つ目の銃痕=2018年6月22日午後6時半ごろ、名護市数久田

 防衛局は取材に対し、事故原因について「射撃前に標的に照準を合わせる手順が適切に行われなかった」との説明が米軍からあったことを説明した上で、訓練再開の時期は「承知していない」とした。