「売ってほしい」と評判 町の図書館が地元偉人や民話を絵本にして紹介 絵本で描かれた場所のツアーも


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これまで刊行した絵本を手に笑顔を見せる仲田留理子さん(中央)、図書館職員の仲間洋子さん(左)、仲間陽子さん=5日、金武町立図書館

 【金武】金武町立図書館が進める金武の民話や町出身偉人の絵本化事業が話題を呼んでいる。民話や町出身偉人の人生が金武言葉(方言訳)付きでまとめられている。町内小中学校や公立図書館をはじめ、県立図書館や大学、国立国会図書館などに寄贈している。一般販売はしていないが、保護者や教育関係者、研究者などから「売ってほしい」との声が上がるなど幅広い人気を集めている。

 絵本化事業は地域の歴史や暮らしぶりを子どもたちに分かりやすく伝えたいとの思いから2011年に始まった。8年の間に民話5冊を刊行した。同様に町出身の偉人にも親しみを持ってもらいたいと、偉人シリーズ3冊(當山久三、松岡政保、大城孝蔵)も刊行している。

 シリーズ1作目「屋嘉スグラー」から事業に関わる町総務課の仲田留理子さん(38)は「文語ではなくて口語としての金武言葉も残したくて、金武言葉を付けた」と話す。絵はすべて町出身・在住のイラストレーター、伊芸まもるさんが担当する。

 町立図書館では絵本が完成するたびに町内親子を招待して絵本バスツアーも開催している。絵本で描かれた場所を巡ったり、偉人の逸話を再現したりした。

 9作目は伊芸区の民話を作成中だという。仲田さんと図書館の仲間陽子さん(36)は「金武町の民話はスケールが大きくて豊富。ユーモアにもあふれている。ぜひ手にとって触れてほしい」と声を合わせた。