経済

「はいたいコラム」 みんな喜ぶエコの輪

 島んちゅのみなさん、はいた~い!6月は牛乳月間!東京都八王子市にある磯沼牧場へ行ってきました。ホルスタインをはじめジャージー、ガンジー、エアシャーなど珍しい牛80頭にヤギまでいます。いろんな人や話題が行き交う情報満載の牧場で、牧場スタッフが新たに販売をはじめる山羊チーズがこの日に完成し、できたての八王子産山羊チーズをいただきました!

 オーナーの磯沼正徳さんが積極的に取り組むのは「エコフィード」です。環境にも経済的にも優れた畜産飼料で、食品ロス削減や資源循環の観点から国も推進しています。ビールの麦芽かす、もやし、八丁味噌、フルーツの皮などさまざまなエコフィードが関東近郊の工場から牧場に集まります。餌箱にパイナップルやオレンジの皮の甘い香りが漂い、中でも牛はメロンの皮が大好物なのだそうです。

 飼料コストは畜産経営において重要ですが、エコフィードなら半分近くになる場合もあるそうです。食品工場にとっても産業廃棄物にしていたものが生かされ、費用だけでなくCSR(企業の社会的責任)のメリットがあります。ただ工場から出たままでは飼料にならないため、脱水処理や発酵など食品リサイクル会社の協力があったそうです。このおかげで牛も喜んで食べ、生産者も食品工場もさらには地球にまで歓迎される喜びの循環が生まれたのです。

 酪農というと広大な土地を生かした北海道型がうらやましく思えるかもしれませんが、都市には都市型の飼料調達ルートがあったのです。

 この話で思い出したのは、都市鉱山です。「みんなのメダルプロジェクト」と呼ばれ、2020年の東京五輪では金・銀・銅合わせて約5千個のメダルが必要ですが、使わなくなった携帯電話や小型家電の金属を集め、日本にしか作れないメダルを作ろうという取り組みです。3月末で回収は終了しましたが、自分たちが使っていた小型家電が世界トップアスリートをたたえるメダルになるなんて、すてきな物語ですよね。

 これからの持続可能な社会に欠かせないのは資源循環です。外から持ち込む一方通行の経済ばかりでなく、その土地らしさを生かしてみんなが喜びをシェアする時代です。都市鉱山が個々の自宅に眠っていたように、島の宝もきっと近くに眠っていますよ。

(フリーアナウンサー・農業ジャーナリスト)

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小谷あゆみ(こたに・あゆみ) 農業ジャーナリスト、フリーアナウンサー。兵庫県生まれ・高知県育ち。NHK介護百人一首司会。介護・福祉、食・農業をテーマに講演などで活躍。野菜を作るベジアナとして農の多様性を提唱、全国の農村を回る。

(第1、3日曜掲載)