〝市場のお母さん〟卒業 商売、方言、沖縄の風習も教えてくれた 〝娘〟から感謝状


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“市場のお母さん”と慕い、世話になった上原節子さん(右)と翁長優子さん(中央)に感謝状と花束を贈った照屋なつさん=16日、那覇市松尾

 老朽化で建て替えられる沖縄県那覇市の第一牧志公設市場は16日午後6時、現市場での営業を終えた。

 市場のお母さん、ありがとう―。トタン屋根だった頃の市場から肉屋を営んでいた翁長優子さん(74)、その向かいでかまぼこ屋を切り盛りしていた上原節子さん(73)は、16日の現市場閉場と共に“卒業”した。隣り合って商いをしてきた照光精肉店の照屋なつさん(51)は2人に感謝状を贈った。「何でも教えてくれた市場の母。さみしくて仕方ない」。3人は泣き笑いして抱き合った。

 なつさんは徳島県出身。28年前に結婚し、夫の康裕さん(53)の両親と共に精肉店で働くようになった。「方言も全然分からなかった」となつさん。その後ろで別の精肉店を営んでいた優子さんに方言、向かいでかまぼこ屋を切り盛りしていた節子さんに沖縄の風習を習った。「優子さんもせっちゃんも、夫婦げんかしたらその愚痴まで聞いてくれた。2人に教えてもらって強くなったのかも」

 上原さんは涙を浮かべて「うれしい。さみしくなるね」とつぶやいた。優子さんは「お隣さんでいろいろ話をした。ここまでしてもらって本当にうれしい」と笑顔を見せた。