沖縄県那覇市立識名小学校(平良雅司校長)はこのほど、独自の新組織「PTSA」を発足させた。従来の組織であるPTAのほかに地域住民らを加えたPTCAは一般的だが、同校は参加者の地域を限定せず、会の趣旨に賛同する外部サポーターを加えた。サポーターは助言者の役割を担う。県内では他にもPTSAを組織している学校があるが、識名小PTSAによると、サポーターの地域を限定しない同校の事例は、全国的にも珍しいという。
日本PTA全国協議会は「集計しているわけではないが、これまでに聞いたことがない」としている。
同校では約5年間停止していたPTA組織を2017年に復活させた。活動する中でOBや地域住民らから「手伝いたい」との声が上がったことも踏まえて新組織づくりを考案し、今年5月26日の総会で承認された。新会長には保護者の伊野波盛博さんが選任された。サポーターは現在、校区外を含む数人がいる。
同校のPTSAは「できるときに、できる人が、できることをやる!」をモットーに、多様な角度からアイデアを出し合い、活動を通して子どもも大人も共に成長することなどを狙いとする。強制ではなく、無理なく楽しく活動したいとの思いを込め、各専門部も「広く伝え隊」「家庭と学校結び隊」などユニークな名称を付けた。学級や学年の保護者代表も従来の委員長や副委員長という形にとらわれず、「お世話係」と改めた。メンバーを募ったところ、全校25クラスから約90人の賛同者が名乗り出ているという。
伊野波会長は「識名小らしく、誰でも入りやすく、入りたがる組織をつくりたい」と話した。玉城彩登美副会長は「パワーがみなぎる時はどんどん動いて、息抜きしたい時はゆんたくや情報交換の場として活用してほしい」と語った。
(中川廣江通信員)