沖縄県地域保健課は18日、宮古保健所管内の社会福祉施設で結核の集団感染があったと発表した。感染者は50人に上り、うち20人が発病した。高齢の利用者が最初に発病し、結核との診断に時間を要したため施設内で感染が広がったとみられる。同課によると、発病者数としては1993年以降最多となる。
同課によると、発病し結核患者とされた20人の内訳は30~50代の施設職員9人、60代以上の利用者11人。そのうち10人が入院した。
20人のうち、菌の培養検査ができた6人は、全て同一の株だった。県として同施設での結核発生を把握したのはことし1月。調査の結果、最初の患者は昨年6月ごろには発病していたとみられるという。高齢者はせきやたんなどの結核の特徴的な症状が出にくい。施設では利用者の健診は実施していたものの、症状が分かりづらく診断が遅れた。
施設は18日夜、利用者家族を対象にした2度目の説明会を開いた。施設担当者は本紙の取材に「保健所の指示に従って、発病した場合の早急な治療措置、感染が判明した時の発病予防などに継続して取り組んでいく」と述べた。
結核は結核菌が原因となる感染症。患者のせきやくしゃみで空気中に飛び出し菌を吸い込むことで起きる。感染者の10人に1~2人が発病するといわれている。県内の2017年の患者数は226人だった。