浦添市伊祖の認可外保育施設・美咲保育園(銘苅秀人代表理事)は20日までに、7月末で閉園することを決めた。新たな園舎建設を計画して認可園化する準備をしていたが、必要な資金のめどが立たなかった。現在は94人(うち市内77人)が在園しているが市と園は協力して次の預け先を確保する予定だ。保護者には19日に文書で通知し、21日に同園で説明会を開く。学童クラブは継続する方針。
園は1988年に設立された。職員は保育士4人、保育従事者14人など約25人。園によると20年近く赤字が続いているという。融資や個人資金で穴埋めしてきたが補えなくなり、閉鎖回避のため2018年4月、周囲の認可外施設を集約し、認可園化を目指して浦添市に相談した。しかし市と園の調整が進まないまま、経営状態が悪化した同年11月、12月末での閉鎖を市に伝えた。園舎新築や仮設プレハブ園舎などの計画を立てていたが、建設ラッシュで建築確認申請が半年以上かかると指摘され、その間の資金繰りができないと判断したという。
一方、市こども政策課は資金面の課題や園が計画する定員数と完成後の需要が見合わないことなどを指摘してきたと主張する。園側が今年6月初めにプレハブを建設せず、周囲の施設に園児を分散させる計画を示したことに市は「分散すると、新施設の開園後に園児や保育士が集まらないのでは」と認可化への懸念を伝えた。園側は計画遅延で「これ以上の赤字を補填(ほてん)できず、信頼が落ちて継続できない」と閉園を決めた。こども政策課の知花優子課長は「市は安定経営を心配して、当初から指摘してきた」と話すが、園側は昨年4月の相談時から同11月まで連絡が少なかったとしている。