「オール沖縄」陣営が支援する高良鉄美氏(65)と政府与党が全面支援する安里繁信氏(49)は選挙戦本番に向けて、県内全域を回り支持拡大に奔走している。高良氏と安里氏はいずれも5月には那覇市内に選対本部となる事務所を設置し、現在は市町村支部の設置を急ピッチで進めている。
高良氏は29日、安里氏は22日に政策を発表する予定だ。主要争点である米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の是非を巡っては高良氏が「反対」、安里氏は「容認」を掲げる見込みで、4月に行われた衆院沖縄3区補欠選挙と同様に辺野古埋め立ての賛否が明確になる見通しだ。高良氏は「辺野古新基地建設反対」を最大争点に掲げ、安里氏は「ポスト沖縄振興計画」など経済振興を最大争点に掲げる。
現職の糸数慶子氏の後継として出馬する高良氏は「オール沖縄」候補として新基地建設反対のほか、憲法学者として憲法改正反対を前面に打ち出す。玉城デニー知事と連携することで課題である知名度不足を克服し、支持拡大を狙う。
安里氏は、日本青年会議所会頭や沖縄観光コンベンションビューロー会長時代の人脈や経営者としての手腕を武器に、「自公維」態勢の全面支援を受け、無党派層を中心に支持拡大を狙う。企業回りを徹底し、基礎票固めにも注力する。
このほか、沖縄選挙区には、沖縄戦被害・国家賠償訴訟弁護団団長で弁護士の瑞慶山茂氏(75)と元県職員の石田辰夫氏(67)も立候補を表明しているほか、政治団体「NHKから国民を守る党」から磯山秀夫氏(72)=神奈川県在住=も出馬に意欲を示している。
一方、県関係の比例代表では、社民から県議の仲村未央氏(47)、自民から前衆院議員の比嘉奈津美氏(60)、共産から中部地区委員会副委員長の島袋恵祐氏(32)が出馬を予定する。