沖縄防衛局が2009年に名護市嘉陽沖で撮影した絶滅危惧種ジュゴンが海中を泳ぐ映像が、情報公開請求を受けて開示された。映像が開示されたジュゴンは同海域を生息場所とした「個体A」と呼ばれる1頭とみられるが、名護市辺野古の新基地建設工事が本格化した後の18年10月以降、行方不明となっている。
防衛局が開示したのは09年2月19日と22日の映像。新基地建設に向けた環境影響評価手続きの調査で撮影されたもの。22日の映像は海中に固定したカメラのすぐ前をジュゴンがウミガメと並んで悠々と泳ぐ姿を収めている。19日の映像も固定カメラの前をジュゴンが横切る様子が写っている。
開示請求した沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんは「防衛局はいったん工事を中止し、全力を挙げて所在を確認しなければならない」と訴えている。北上田さんは映像を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。