【多良間】豊年と繁栄を祈願する多良間村の伝統行事「スツウプナカ(節祭)」が24日、始まった。同日深夜には「暁願い(アカツキニガイ)」が執り行われ、長老たちが神酒(ミス)を飲み交わす際に読む神歌(ニィリ)の「ヒーヤ、ヤッカヤッカ」というはやしが夜空に響き渡った。
24日は午前中から、集落の各所で供え物用に収穫してきた魚の身をすりつぶしてかまぼこを作ったり、祭祀(さいし)に使用する神酒の芋をふかしたりするなど、村民らが準備に奔走した。25日の祭り本番では、神事をつかさどるツカサ(神女)や来賓らがナガシガー(長瀬川)、フダヤー(札屋)、パイジュニ(南宗根)、アレーキ(新池)の4祭場を順に訪れ、豊年の祈りをささげる。
スツウプナカは国指定重要無形民俗文化財の豊年祭「八月踊り」に並ぶ多良間島の二大行事の一つ。パイジュニの暁願いで神歌を詠んだ豊見山徹夫さん(73)は「今年も豊年を願いながら神歌を詠んだ」とほほえんだ。